「アリスへの決別」(山本 弘/著) を読んだ。
SF短編集。
著者の本は3冊目になる。
各編それぞれ面白かったが、その中で印象に残ったのは、
「地球から来た男」の中のとある会話。
「-- 何の義務にも縛られない世界というのは、自由すぎて何をしていいのか......」
「義務ならあるわよ。『他人を傷つけない』というのが。他人のプライバシーを尊重するとか、
差別をしないといったことも、その義務に包含されてる。その義務を守っているかぎり、
何をするのも自由よ。 --」
それともうひとつ。「オルダーセンの世界」でのある台詞の一部。
世界から拒絶されないために。無限の自由と幸福を手にするために。
「他人を傷つけないこと。他人の生き方を許容すること。たとえあなたにとって
不快な信念を持つ相手であっても、あなたに害を与えないなら認めなくちゃいけない。
そして、自分一人で生きられるなんて思わないこと」
・・・そっか、こういうところがなんとなくシンクロするからか。
この人の作品が嫌いじゃないわけだ。