携帯キャリアが「通信の最適化」というのをしているのがネットで話題のようだ。
画像をリサイズしたり画質を落として非可逆圧縮で再圧縮し直して容量を減らそうということなんだろうけど。
音声でそれを例えると音質を下げるということにはならなくて、例えば次のようなことになる。
落語の「寿限無」。
生まれた子供に名前をつけるに当たってとても長い名前「寿限無,寿限無,五劫の摺り切れ,海砂利水魚の...(途中省略)...の長久命の長助」という名前がつけられるのだが。(詳しい内容は検索ください)
今行われている「通信の最適化」というのは、この話のこの長い名前を「寿限無」に短縮してしまおうってのと同じこと。
かなにして136文字の名前を「じゅげむ」4文字分にしてしまうので通話時間や通信量は確実に減る。
そして、確かに短縮しても意味は通じる。
でも、そうしてしまうと「寿限無」という落語の話は伝わらない。
別のたとえで言えば。為替レートを「1ドル124.36円」と話したら相手には「1ドル124円」と「最適化」されて(端折られて)伝えられたというのと同じだ。
これも通信量は減っている。
雑談程度であれば概算値が伝わっているので十分だといえるが、実際に為替取引をしている人の通話であれば金銭被害が出てもおかしくない。
「通信の最適化」で実際に最適化の対象となっている画像に話を戻すと、例えば、デジタルデータな商品を購入した時によくあるQRコード。
表示されたQRコードがうまく読み込めなかったとしよう。
このとき、「通信の最適化のせいじゃないか?」と思われた時点でダメだろう。
実際、通信の最適化でQRコードが読めなくなるケースは少ないのであろう。しかし、QRコードの読み取りアプリが原因だったとしても、QRコードを発行したサーバ側に原因があったとしても、「通信の最適化が原因かも」と思われたら、その通信サービスはビジネスに使えないと判断されてしまう。
(使うのを避けられるのであれば、その通信サービスは避けたいと個人的には思う。)
これは単純にサービス(品質)の低下だ。
「通信の最適化」を正当業務行為だとしているキャリアがあるそうだが、それは「通信の最適化」を行わないとサービスが維持できないということを表明しているようなものだ。
そのようなレベルの低い通信サービスを提供しているのか?
そんなことはないと思うのだけど自身で貶めている気がする。
なんできちんと説明して、しかも別サービスとしてやらないかな。
......とここまで書いていて、次の記事を見つけた。
夏井先生の記事だけれど「通信の品質の意図的な劣化」だってさ。
債務不履行に景表法違反ともコメントにあるし。(笑)